2015年11月25日水曜日

30代のこれから。

3ヶ月前の8月、ついに30歳になってしまいました。

会社のインターン生からは、「おっさん!三十路!」とイジられる始末…
鼻につかないぶりっ子売り(謎)してたけど、さすがに路線変更しないいけないお年頃!

中学3年生、15歳の時、卒業文集で多くの同級生が学校3年間の思い出を綴ってる中で、
「よりビッグになるために…」というタイトルの決意表明を書くくらい、
自分が大物になることを信じて疑わなかったあの頃から、
もう倍の歳を重ねてしまいました。

まだビッグになる途中にいる僕は、30歳になって改めて、
「自分はこれからどう生きていくか?どう命を使ってもらうか?」
という問いと結構真面目に向き合ってみました。


内観してみて辿り着いた1つの答え。
それは、

「1人1人が自分の光や美しさを感じ、それを発揮できる世の中を築いていきたい」

ということ。

そして、そこに自分を使ってもらいたいと思いました。


◇◇◇◇◇◇◇


そんな世の中を築いていくためには、3つのフェーズがあって、
そのために仕事とかボランティアとか関係なく活動しています。


【PHASE 1】

「自分とは何ぞや?」という自己理解・自己受容の段階。

これまで自分はどんな人生を歩んできたんだろうか。
今まで向き合えてこなかった自分は、どんな自分か。

僕もカミングアウトする前は、ゲイであることを自分で認められなかったり、
向き合えなかった自分がいました。
なんならそんな自分にすら、気付けていませんでした。

でも豊かな人生を生きていくためには、
そういうのも引っくるめて自分を捉えることが重要で。

でもなかなか1人では見えなかったり、タフで断念してしまいがちなので、
そんな方のお手伝いができればとの想いで、タイムチケットを使って、
個人でも話を聴いていく活動を始め、今やってます。





【PHASE 2】

「自分はこんな人間だ」という自己表現・承認経験の段階。

自分を理解した上で、次に必要なのはそれを今度は
他者に理解してもらうための自己開示。
いわゆるカミングアウト。

そしてそのカミングアウトに対して、
大切な人に承認される経験が必要だと思うんです。

自分にとっても、ものすごーく大事だった。

だから「大切な人へのカミングアウトを応援する」というミッションの
NPO法人バブリングに所属して、活動しています。

10月11日を日本でも「カミングアウトデー」として登録し、
先月の同日には「1011-カミングアウト コレクション-」というイベントも開催しました。



































ここに所属しているのは、LGBTを切り口にはしてるけど、
それだけに特化していないから。

あらゆるマイノリティとされている方々にスポットライト当てていきたいし、
マジョリティとかマイノリティとか、そもそもラベリングして判断する、
その構造自体を壊していく活動ができると思ったから。

カミングアウトが全ての正解ではないんだけど、
カミングアウトが選択肢に入れられない世の中にはしたくない。


【PHASE 3】

「自分はこう生きたい」という意思表明・意志の芽生えの段階。

自分を理解して受容して、それを他者に表現して、
その上で最後は、自分はこう生きたい、という未来への宣言。志や夢の表明。

ここまできたら自分の中の光や可能性を感じて、
そしてそれを発揮できる土壌が整うと思うんです。


この3つのフェーズ全てにアプローチしているのが、
株式会社はぐくむという今の会社。

色々周りから言われるし、悩んだりする時もあるけど、
やっぱりはぐくむを大きくして、自分たちが描いている世界観を広めていきたいんですよね。

なかなか結果が出ず常に苦しさと向き合ってきましたが、
去年くらいから少しずつ、地道に積み重ねてきたものが実になってきました。

まだまだ志半ばですが、
それでもやっと、やっとトンネルの先の光がほんの少しだけ見えてきたんです。


















遊びたいーーーーーー!と発作が起きることもあるけど、
こんなに働ける、働きたいって思えるって幸せなことだと思う。


あと、それ以外にもチェンジ・ザ・シンポジウムのファシリテーターとしても、
時々関わってます。
このコミュニティの人たちがすんごい好きで。

長くなっちゃうから、それはまた別の機会に。


◇◇◇◇◇◇◇


30歳をきっかけに色々思考して、
今のところの答えと、関わってる活動を紐付けられて、
最近は毎日を気持ちよく過ごしてます。

少しでもより良い未来を築けるよう、
これからも頭と心と身体を動かしていっちゃいます!


写真は、この前行ったバブリングで行った長野での合宿時のもの。
好きな写真。

この写真くらい、今の自分は穏やかで爽やかで、清々しい気分。
2015年もあと1ヶ月ですね。



2015年11月1日日曜日

LGBT当事者と、その家族の方々のために



こんばんは。
blogを更新しない内にいつの間にか三十路のおっさんになってしまいました。

でも見た目だけはまだまだ幼いらしく、
大学生向けのイベントやる度「何年生なの?初めて?」と言われて、
気まずくさせちゃいます。



【30歳になって、改めてやっていきたいこと】


30歳になって改めて「なにをして生きていきたいか?」考えて、
辿り着き、やりたいと思ったことの1つ。(色々端折るので今度会った時に聞いてくださいw)

それは、今までのコーチング・カウンセリングの経験を活かして、
LGBT当事者、そしてその家族の方々へのサポートをしたいということ。
そのためのセッションを募ろうと思います。

周りとの違いに葛藤し、これからの生き方に悩んでるLGBT当事者の方、
そして、「もしかしたら自分の家族がLGBTかも…」と考えているご家族の方々のサポートをしていきたいです。

例えば

「周りと違う自分はこれからどうやって生きていけばいいのかわからない…」
「誰にも自分のことを素直に話せない…」

と感じている当事者の方や、

「家族にLGBTであることをカミングアウトされたけど、どうしたらいいかわからない…」
「もしかしたら自分の息子、娘がLGBTかもしれない…」

と思っている当事者ご家族の方は是非!


試験的にタイムチケットを使ってみました。
これは1時間セッション3,000円チケットを購入いただき、
一部(もしくは全額)が様々な活動をしている支援団体に寄付される仕組みです。

僕は、チケットを購入いただければ、
50%をLGBTの人権支援も行っている「Human Rights Watch」に寄付される設定をしました。

ピンときた方是非一度ご購入してみてください〜
もちろんLGBT以外の方も受け付けてますし、拡散も大歓迎です◎

こちらからどうぞ^^

2014年12月1日月曜日

日本経済新聞に掲載されました

かなり久しぶりの更新。

というのも自分としては大きな出来事がありまして。


約2年前から特定非営利活動法人Re:bitのやっくんとうちの会社(株式会社はぐくむ)で開催している
LGBT学生(一部社会人)向けの就活セミナーを日経新聞で取り上げてもらったのです。




しかも名前まで掲載していただいて。


ここのblogでカミングアウトしたのが約3年前。

それからというもの活動の幅が今まで以上に広がり、人脈も増え、
様々な機会との巡り合いもありました。


いつか自分も新聞やテレビで取り上げられるような、社会に貢献できるような人になりたい

と常々思っていましたが、
小さいとは言えこんなにも早くこのような機会をいただけるなんて思ってもいませんでした。


取材していただきました日経新聞の摂待さん、ありがとうございました。


偶然にも同日に米アップルCEOのティム・クック氏がカミングアウトしたという記事が掲載されていました。(日経さんLGBTを同日に2回も取り上げるなんて素敵)

僕自身を明らかにすることで何につながってほしいのか、それは彼が伝えてくれていました。


私は自分が活動家だとは思わないが、他の人の犠牲から自分がどれほど助けられてきたかに気付いた。
そのため、もしアップルのCEOがゲイだという話を聞くことによって、自分自身を受け入れることに苦労している人が助けられ、孤独を感じている人が慰められるなら、私のプライバシーを犠牲にする価値があると考えた。


恐れ多いですが、僕も全く同じ気持ちです。

少しでも多くの方々にカミングアウトして生きている人生を知ってもらうことで、
そんな生き方もあるんだと、選択肢の1つをつくってもらえればと。

まだまだ志半ばですが、今度はもっと大きく取り上げてもらえるよう、これからも精進していきます!


いつも応援してくださる皆様、本当にありがとうございます。

これからもよろしくお願いします!


今回取材していただいたLGBT LifeWork Finderセミナーは次回12月16日(火)にございます。

「LGBT×働く」を考えたい方(社会人の方でも参加可能です)は是非!

お申し込みはこちらから


また12月6日(土)には実行委員として関わっているLGBTアワード「Tokyo SuperStar Awards」をビルボード東京にて開催します!

今年で5年目のこのイベント、LGBTの方だけでなく様々な方に楽しんでいただける内容になっているので、是非ご参加ください!

チケットはこちらから購入できます!


久しぶりの更新にも関わらず、お読みいただきありがとうございました。

平山 裕三



ー後日談ー

家族にはこの件話していなかったのですが、記事を読んだ兄から興奮気味に連絡があり、


「本当、お前はすごいわ。だからこそ、頑張る、いや、活躍する義務があると思う。
アップルのCEOもカミングアウトしたね。頑張るのは誰でも出来るから、ぜひ結果にこだわってね。」


とLINEを送ってきてくれました。

この兄は僕が両親にカミングアウトした際もなかなか理解できない両親を僕に代わって説得してくれました。

本当に頭が上がらない存在で、この兄がいなかったら今ほど家族との関係も良好でなかったかもしれません。

そんな兄から送られてきたこのLINEを見て思わず目頭が熱くなりました。
嬉しかった。

家族には心配かけてる分、なおさらこれからもっと頑張らなきゃいけないですね。
結果にこだわって。

改めて家族に感謝です。

2012年4月9日月曜日

どうやったらあるがままでいられるか?


先日、陸上競技選手の為末大選手がTwitterでこんなことを呟いてました。


挫折、自分を許す事、なぜありのままでいるのが難しいのか


哲学的で本質を捉える方ですね。

やはり自分をストイックに追い込んでいくアスリートの方々は、
スポーツという領域を越えて、人生の真理を掴んでいくのかなぁ。


為末さんの言う通り、
あるがままでいることへの一番の恐れは、
受け入れられないかもしれない、という不安です。

きっとこれは多くの人の中に存在しているものだと思います。


この不安に打ち勝つには、何よりも自分を許すこと。



僕の場合、この前のカミングアウト日記でも書きましたが、
両親に言ったことがきっかけとなり、
ゲイである自分を許せるようになりました。

自分を許せるということは、
自分に対して「あるがままの自分でいい」と受け止められる、ということ。


人はあるがままでいることを恐れるが余り、
他人の目を気にしてしまい、相手の期待に合わせた自分を演じてしまいます。

「認められたい」「承認されたい」

他人に向いたこれらの欲求を叶えるための行動は、
どこかで息詰ってしまいます。

何故なら行動の源泉が相手の期待に合わせたものだから。
自分から心からやりたいことと現実にズレがあるからです。


人生を通じて本当に実現したいこととは、
「誰かに認められたい」、「承認されたい」という欲求から生まれるのではなく、
内なる自分の声が発した純粋なものであると思います。

そしてその声には自分を許せていないと耳を傾けられません。


「あるがままの自分でいいんだ」と心からそう思えた時初めて、
自分の本当にやりたいことが見えてくるものです。

そして為末さんもおっしゃっていますが、
心からやりたいことを聴けた時、人は持続可能なモチベーションを知るんだと思います。



僕は痛みを知っている人は人に優しくなれる、と思っています。

何故ならば痛みを知らなければ、人の痛みに対してその人の視点に立てないから。


ただし痛みを知っている人でもそれを昇華できていなければ、
卑屈になってしまったり、穿った考え方をしてしまいます。

本当に人に優しくなるには、
自分の痛みに気付き、その痛みを昇華しなければいけません。

そして痛みを昇華するということは、
やっぱり自分を許すことなんだと思います。


ではどうやったら自分を許せるようになるのか。

僕は「徹底的に自分と向き合うこと」だと思っています。

相手の期待に合わせる自分、それに苦悩している自分、本当は見せたい自分。
あらゆる自分と徹底的に向き合っていくこと。

もっと言えば、自分のあらゆる感情を味わい尽くすこと。
喜怒哀楽を放置するのではなく、その場でしっかり味わい、
その感情に身を委ねること。


そうすることでその感情が生まれてくる源泉がわかってくるし、
自分の本質を捉えられるようになる。

その過程なしに、自分を許していくこと、受け入れることはできません。
あらゆる自分と向き合わなければいけないので、相当タフなことですが。


「若い時の苦労は買ってでもしろ」


壁にぶつかった時、悩んだ時、人は必ず自分と向き合います。
そして自分と徹底的に向き合った人がその壁を乗り越えられるんだと思います。

苦労の分だけ人は自分と向き合い、許し、
そしてあるがままに近付いていくのではないでしょうか。



僕の大学からの親友が4/20-22に「E-じゃないか」という
合宿型ワークショップを開催します。

これは「ワークショップ」や「ダイアローグ」を経て、
自分に「ええじゃないか」と許し、自分の実現したい未来に踏み出すことを目的にした場です。


あなたはあるがままの自分に「ええじゃないか」と言えていますか?


僕は様々な方とご縁がありお話させていただいている方だと思いますが、
この問いに心から「YES」と言える人はあまりいないように感じます。

しかもそれは年齢や性別に限らずです。


今回のエントリーを読んで何か心に反応があった方は、
是非参加してみてほしいです。

4/20だけの1day参加も可能ですので。

ちなみに僕はプロジェクトメンバーとして関わらせてもらっているので、
興味ある方は下記サイトからか、直接僕までご連絡下さいね。

E-じゃないかオフィシャルHP


・・・・・・・


為末さんのtweetの中に

「努力は夢中に勝てず、義務は無邪気に勝てない。」

とあります。


無邪気に、そして夢中になってやれること。


どんな時でもそれを追求して生きていきます。

2012年4月2日月曜日

カミングアウトしてから1ヶ月半経って思うこと


前回の「僕がゲイだとカミングアウトする理由」を書いてから約1ヶ月半が過ぎました。


予想以上の反応があって、なんだか次の記事を書くのに躊躇してしまいました笑


facebookでは200近い「いいね!」と数多くのシェアがあり、
本当に皆さんから暖かいお言葉をいただけました。
改めてここの場で感謝させて下さい。

ありがとうございました。


知り合いじゃない方からも反応をいただき、
特に佐々木俊尚さんのTwitterでの朝のキュレーションで紹介されてからは、
爆発的にアクセス数が上がりました。




改めて佐々木さんの影響力の大きさを知りました。
それをきっかけにtwitterでも多くの方から反応をいただきました。


今回の一連の出来事は、
ネットという非現実的な世界の中で大きくなっていったので、
まるで自分のことではないような、不思議な感覚でした。


そんな中で僕が感じたことは大きく2つ。


1つはやっぱり何か自分を隠しながら、
偽りながら生きている人は多いということ。

数あるコメントの多くが記事に関しての「共感」でした。


そして直接知り合いではない異性愛者の方からも、
「勇気をもらえた」という内容のメッセージをいただきました。

カミングアウトの記事でも書きましたが、
僕の場合は隠したい自分がたまたま「同性愛者」という部分だっただけ。

きっと多くの人はそれぞれに悩みや不安、コンプレックスを抱えていて、
それをさらけ出したい欲望と「受け入れられないんじゃないか」という不安の狭間の中で
懸命に生きているんだと思う。


その悩みやコンプレックスに大小はない。


中身は違うにせよ、
あるがままで生きられない自分を重ねて読んでくれた方々が
共感の言葉をくださったんだと思っています。


今のところ現代の社会には様々なしがらみがあります。
だからこそ多くの人は悩み、苦しみ、
いつの間にかもう一人の自分をつくり、
その苦しみを感じないように生きていくのでしょう。

人間慣れるもので、
最初は周りに合わせるのが辛くても、
いつの間にか意識せずに合わせられるようになりますからね。


でもいくら慣れても、
やっぱりあるがままの自分をわかってほしい、受け入れてほしい、
というのが人間の本質的な欲求なんだと思います。

今回様々な方からメッセージをいただき、
周りに合わせていてもどこかであるがままの自分をさらけ出したい、
という想いが誰にでもあるということがわかりました。


もう1つは、まだまだゲイというのは特別だということ。

ゲイの友だちに、僕が書いた記事とそれに伴う反応を見せました。
すると彼からこんな言葉が返ってきました。


「でもノンケたちの書き込み見てると
逆にまだまだ市民権は得られてねーなーって思ってしまう。

スペシャルに扱い過ぎだよなぁ。ま、しゃーないんだけど。」


今回カミングアウトに対する反応のほとんどは肯定的で、
僕の行為に対する賞賛や応援の言葉でした。

僕はもちろん、もちろん嬉しいし、改めて周りに感謝したけれど、
でもこんなに多くの人が反応をくれるってことは、
まだまだゲイが特別だということも示唆しているのだと思います。


多くの人が反応するということは、
やっぱりカミングアウトが勇気のいること、チャレンジングなことだと、
みんなどこかで感じているのではないかと。


もしゲイが当たり前に学校や職場にいたら、
僕のカミングアウトにも

「あ、そうなんだ」

で片付いちゃいますからね。


カミングアウトが当たり前になるように、
そもそも「カミングアウト」なんて大げさな言葉で表現されないくらいの世界になるよう、
僕は僕なりにそんな世界への一助を担えたらなと思います。



・・・・・・・

カミングアウトしてからの変化として、
某人材総合サービス会社のHくんから、
彼がやっている朝活で僕のカミングアウトストーリーを話す機会をいただきました。

Hくんには会って2回目くらいでカミングアウトしてたんですが、
前回の記事を読んで「多くの人に話してほしい」と言ってもらい
開催する運びとなりました。


更に僕と同じゲイの方やバイセクシュアルの方からもメッセージをいただき、
御縁をいただきました。

その他にも様々な機会や御縁をいただき、
カミングアウト以来自分の世界がまた一つ広がった感覚がします。


あるがままで生きるということは決して楽なことではありません。
僕もまだまだそんな生き方はできていない部分もあります。

しかし、今回カミングアウトしたことで
自らを明らかにするということは、
望んでいる世界や人とつながれるということに気付きました。



前回の記事だけで1万PVも越えてしまったので、
これからも多くの人に読んでもらえるよう、定期的に書いていきます。

今後もどうぞよろしくお願いします。

2012年2月15日水曜日

僕がゲイだとカミングアウトする理由


突然、驚かせてしまってすみません。

タイトルの通り私、平山裕三はゲイです。
別の言い方をすれば、同性愛者です。


家族や友達には何人かカミングアウトしていますが、
それでもfacebook上で友達約500人いる内、
僕がゲイだと知っている人は10%もいないでしょう。

それでは何故このタイミングで、
そしてこんなにも大勢の方々に言おうと思ったか。



それは自分を偽って生きることを辞める決心がついたからです。


どんな人であれ他人に見せられない自分だったり、
見せたくない自分がいると思います。

僕の場合はそれがたまたま「同性愛者」という部分でした。


長い間、僕にとってそれは隠したい自分だったし、
同時に認めたくない自分でもありました。


僕の場合は生まれた時から気付いていたタイプ(後天的に気づく人もいます)ですが、
それでも高校時代はそんな自分を認められず、女の子と付き合い、
誰にも言えずに悩んでいたこともありました。


高校時代は、色々な友人から相談を受けるタイプでしたが、
その度に自分の悩みは誰にも言えないことに苦しみ、
自分の境遇を恨んでいました。


ゲイであることを隠すということは、
常に自分自身に対して嘘をついて生きていく毎日でもありました。

学生時代は特に恋愛の話などは共通の話題ですからね。



毎日嘘をついて、周りのみんなに合わせていくことが慣れていくと
別に隠さなくていいことまで進んで言わないようになりました。

昔はよく「謎がある」とか言われたし、今でも言われることもありますが、
自分の中では「ゲイ」であることを隠していることがそう思われる理由だと思っています。


僕は本来わかりやすい人間ですから。



毎日自分自身を偽り過ごすことに慣れてはきましたが、
本当の自分をさらけ出せない苦しみはどんどん膨れ上がっていました。

迷いに迷って高校卒業間近、
親友に自分のことを打ち明けました。


その時のことはあまり覚えていませんが、
親友はそんなに驚いてなかった様な気がします。

前日からものすごく緊張して、直前まで言おうか迷っていたのは覚えていますが笑



卒業してからは、仲良い友達の数人に少しずつ
カミングアウトをできるようになっていました。

数人の友達にカミングアウトできるようになったとは言え、
家族、特に両親には絶対にできないなと思っていました。


カミングアウトすることは親不孝だ、
そんなことを親は望んでない、
カミングアウトすることは自分のエゴだと思っていたからです。

一方で、血のつながっている家族に
あるがままの自分をさらけ出せないことが
一番苦しくもありました。

しかし、
「言ったら悲しませてしまう」「勘当されてしまうかもしれない」
という不安から、言えずにいました。



そんな気持ちのまま就活が始まった大学3年生の冬。
僕にとって一つの転機が訪れます。

就活のことで些細なことから母親と喧嘩し、
勢い余って図らずもカミングアウトしてしまったのです。


そこからは兄を含め話し合ったり、
親父にも言ったり、と家族会議の連続でした。

長年言えなかった想いを吐き出して、
全てをとは言いませんが、家族に受け止めてもらいました。

この時期は家族会議の度、泣いてましたね。


今でも「結婚しろ」って言われるけど、
カミングアウトした時、

母親には
「普通家族には言えない人多いと思うけど、言ってもらえてよかった。」

親父には
「今まで辛かったんなぁ、ごめんな。」

って二人とも泣きながら言ってくれて、
僕はすごく救われました。


この二人の子どもとして生まれて本当に良かったと思いました。
そして、そこから僕の人生は変わりました。


家族にカミングアウトしたことで、
自分がゲイであることを自分自身受け止められるようになりました。

それまでの人生は、
恋愛して結婚してマイホームを買って…という
普通の幸せを得られないことを悔やみ、
その分頑張って普通の人より幸せになってやる、

と穿った考え方をしていました。


「ゲイである自分」は幸せになれない、

と無意識に思っていました。


しかし家族にカミングアウトしたことで、
自分がゲイであることを素直に受け入れられるようになり、
その上で生きていこうと腹を括れるようになったのです。



それからというもの、僕の人生はものすごく明るいものになりました。

それまでの人生は、自分を偽り、自分ではない誰かに合わせる人生でした。

しかし、あるがままの自分をさらけ出せるようになってから、
自分の人生を自分の足で歩めるようになれたのです。

やっと自分の人生の歯車が回り始めたような感覚でした。




「わざわざ言うことではない」
「言わないで生活した方が楽」


同性愛者の多くの人はこう言います。
自分も言えない、言わない時代があったからわかります。

確かに言わないで生きた方が楽だし、
隠していても不便なことはありません。
(合コンとかでテンション合わせるのは億劫ですがw)


でも自分にとってゲイであることは、
平山裕三を語る上で切っても切り離せない部分です。

仲良い人にはカミングアウトして、
わかってもらえる人の前では素直に生きる。
言えない人には距離感を保って生きていく。


隠しながら生きていくことを批判しているわけではありません。
みんなカミングアウトすればいい、なんて思ってるわけでもありません。


ただ、自分はその生き方を選ばなかった。



僕はどんな人とも偽らずに付き合っていきたい。

そのためには自分のことをさらけ出して生きていくこと、
カミングアウトすることは自分にとって自然な選択です。


僕は去年の9月、はぐくむで開催しているSocial design cafeで、
最後にこんな言葉を書きました。



【OPEN & SHARE YOUR STANCE】



僕は自分を明らかにし、スタンスを共有することで、
人とつながり、絆をはぐくんでいきたいと思います。

そして僕と同じように悩んでる人たちが
「こういう生き方もあるんだ」
って選択肢を増やしてもらえることが、
僕の使命だと思ってます。


こうやって不特定多数の人に対してオープンできるようになったのも、
今まで僕を受け入れてくれた友人、はぐくむのメンバー、そして家族がいたからです。

ただただ感謝です。



多くの人からの愛があったからこそ今の自分がいることを忘れずに、
驕らずに、これからも一歩一歩、邁進していきたいと思います。




・・・・・・・


カミングアウトしてなかった方、
驚かせてしまって、そして言えなくてすみません。

僕はどんなこと聞かれてもOKなので、
次会った時には気遣わずに何でも聞いてくれれば嬉しいです。


ゲイっていうのは別に特別なことでも
かわいそうなことでも何でもなく
「背高い」とか「声低い」とか、
そういったキャラクターの一つですから。


このエントリーも、
もしよければどんどんシェアなりRTしてほしいです。

色んな方の目に触れることで
「こういう生き方もありなんだ」って
思ってもらえれば嬉しいので。


こうやってカミングアウトしたことはゴールではなく、
これからが僕にとって新たなスタートです。

もしかしたら今まで以上に困難なこともあるかもしれないけど、
どんな時でもあるがままの自分でいたいと思います。


読んでくれて、聴いてくれてありがとうございました。



平山 裕三