2012年2月15日水曜日

僕がゲイだとカミングアウトする理由


突然、驚かせてしまってすみません。

タイトルの通り私、平山裕三はゲイです。
別の言い方をすれば、同性愛者です。


家族や友達には何人かカミングアウトしていますが、
それでもfacebook上で友達約500人いる内、
僕がゲイだと知っている人は10%もいないでしょう。

それでは何故このタイミングで、
そしてこんなにも大勢の方々に言おうと思ったか。



それは自分を偽って生きることを辞める決心がついたからです。


どんな人であれ他人に見せられない自分だったり、
見せたくない自分がいると思います。

僕の場合はそれがたまたま「同性愛者」という部分でした。


長い間、僕にとってそれは隠したい自分だったし、
同時に認めたくない自分でもありました。


僕の場合は生まれた時から気付いていたタイプ(後天的に気づく人もいます)ですが、
それでも高校時代はそんな自分を認められず、女の子と付き合い、
誰にも言えずに悩んでいたこともありました。


高校時代は、色々な友人から相談を受けるタイプでしたが、
その度に自分の悩みは誰にも言えないことに苦しみ、
自分の境遇を恨んでいました。


ゲイであることを隠すということは、
常に自分自身に対して嘘をついて生きていく毎日でもありました。

学生時代は特に恋愛の話などは共通の話題ですからね。



毎日嘘をついて、周りのみんなに合わせていくことが慣れていくと
別に隠さなくていいことまで進んで言わないようになりました。

昔はよく「謎がある」とか言われたし、今でも言われることもありますが、
自分の中では「ゲイ」であることを隠していることがそう思われる理由だと思っています。


僕は本来わかりやすい人間ですから。



毎日自分自身を偽り過ごすことに慣れてはきましたが、
本当の自分をさらけ出せない苦しみはどんどん膨れ上がっていました。

迷いに迷って高校卒業間近、
親友に自分のことを打ち明けました。


その時のことはあまり覚えていませんが、
親友はそんなに驚いてなかった様な気がします。

前日からものすごく緊張して、直前まで言おうか迷っていたのは覚えていますが笑



卒業してからは、仲良い友達の数人に少しずつ
カミングアウトをできるようになっていました。

数人の友達にカミングアウトできるようになったとは言え、
家族、特に両親には絶対にできないなと思っていました。


カミングアウトすることは親不孝だ、
そんなことを親は望んでない、
カミングアウトすることは自分のエゴだと思っていたからです。

一方で、血のつながっている家族に
あるがままの自分をさらけ出せないことが
一番苦しくもありました。

しかし、
「言ったら悲しませてしまう」「勘当されてしまうかもしれない」
という不安から、言えずにいました。



そんな気持ちのまま就活が始まった大学3年生の冬。
僕にとって一つの転機が訪れます。

就活のことで些細なことから母親と喧嘩し、
勢い余って図らずもカミングアウトしてしまったのです。


そこからは兄を含め話し合ったり、
親父にも言ったり、と家族会議の連続でした。

長年言えなかった想いを吐き出して、
全てをとは言いませんが、家族に受け止めてもらいました。

この時期は家族会議の度、泣いてましたね。


今でも「結婚しろ」って言われるけど、
カミングアウトした時、

母親には
「普通家族には言えない人多いと思うけど、言ってもらえてよかった。」

親父には
「今まで辛かったんなぁ、ごめんな。」

って二人とも泣きながら言ってくれて、
僕はすごく救われました。


この二人の子どもとして生まれて本当に良かったと思いました。
そして、そこから僕の人生は変わりました。


家族にカミングアウトしたことで、
自分がゲイであることを自分自身受け止められるようになりました。

それまでの人生は、
恋愛して結婚してマイホームを買って…という
普通の幸せを得られないことを悔やみ、
その分頑張って普通の人より幸せになってやる、

と穿った考え方をしていました。


「ゲイである自分」は幸せになれない、

と無意識に思っていました。


しかし家族にカミングアウトしたことで、
自分がゲイであることを素直に受け入れられるようになり、
その上で生きていこうと腹を括れるようになったのです。



それからというもの、僕の人生はものすごく明るいものになりました。

それまでの人生は、自分を偽り、自分ではない誰かに合わせる人生でした。

しかし、あるがままの自分をさらけ出せるようになってから、
自分の人生を自分の足で歩めるようになれたのです。

やっと自分の人生の歯車が回り始めたような感覚でした。




「わざわざ言うことではない」
「言わないで生活した方が楽」


同性愛者の多くの人はこう言います。
自分も言えない、言わない時代があったからわかります。

確かに言わないで生きた方が楽だし、
隠していても不便なことはありません。
(合コンとかでテンション合わせるのは億劫ですがw)


でも自分にとってゲイであることは、
平山裕三を語る上で切っても切り離せない部分です。

仲良い人にはカミングアウトして、
わかってもらえる人の前では素直に生きる。
言えない人には距離感を保って生きていく。


隠しながら生きていくことを批判しているわけではありません。
みんなカミングアウトすればいい、なんて思ってるわけでもありません。


ただ、自分はその生き方を選ばなかった。



僕はどんな人とも偽らずに付き合っていきたい。

そのためには自分のことをさらけ出して生きていくこと、
カミングアウトすることは自分にとって自然な選択です。


僕は去年の9月、はぐくむで開催しているSocial design cafeで、
最後にこんな言葉を書きました。



【OPEN & SHARE YOUR STANCE】



僕は自分を明らかにし、スタンスを共有することで、
人とつながり、絆をはぐくんでいきたいと思います。

そして僕と同じように悩んでる人たちが
「こういう生き方もあるんだ」
って選択肢を増やしてもらえることが、
僕の使命だと思ってます。


こうやって不特定多数の人に対してオープンできるようになったのも、
今まで僕を受け入れてくれた友人、はぐくむのメンバー、そして家族がいたからです。

ただただ感謝です。



多くの人からの愛があったからこそ今の自分がいることを忘れずに、
驕らずに、これからも一歩一歩、邁進していきたいと思います。




・・・・・・・


カミングアウトしてなかった方、
驚かせてしまって、そして言えなくてすみません。

僕はどんなこと聞かれてもOKなので、
次会った時には気遣わずに何でも聞いてくれれば嬉しいです。


ゲイっていうのは別に特別なことでも
かわいそうなことでも何でもなく
「背高い」とか「声低い」とか、
そういったキャラクターの一つですから。


このエントリーも、
もしよければどんどんシェアなりRTしてほしいです。

色んな方の目に触れることで
「こういう生き方もありなんだ」って
思ってもらえれば嬉しいので。


こうやってカミングアウトしたことはゴールではなく、
これからが僕にとって新たなスタートです。

もしかしたら今まで以上に困難なこともあるかもしれないけど、
どんな時でもあるがままの自分でいたいと思います。


読んでくれて、聴いてくれてありがとうございました。



平山 裕三